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日之影町には本質的な生きる喜びが残っている

by Shintaku Kanako 地域おこし協力隊

日之影町は九州で初めて森林セラピーの認定基地となった場所だ。町の約9割を森林が占めているから、「人間が森林の中に住まわせてもらってる」と感じる方が自然かもしれない。

今回の「日之影町の人」は、そんな自然豊かな日之影町で森の案内人をしている高見昭雄さん。

高見さんは平成18年から日之影町の森の案内人を務めている。

生まれてからずっと日之影町にいるからこそわかる、時代の移り変わりの中で見えてくることについて教えてもらった。

※本来はすべて日之影弁ですが筆者のリスニング力がまだ無いので標準語でお送りします。

「僕が生まれた頃、昭和40年代は機械がほとんどなくて、水道なんかも通ってなかったから歩いて水を汲みに行ったり、車もないから自転車で山を下って学校に行ったり。

今思えば生活のひとつひとつが本当に大変だったんだよね。

でも町にはお店が何軒も並んでて、その頃の日之影町は人が多くて賑わってた。

たまに町まで行くと楽しかったなぁと思いだすよ。

子どもの頃の遊び場所は森の中だったから、自然と木の名前とか違いについて覚えていった。

でも、高度経済成長期に入ったあとからどんどん同世代は都会に出て行って、田舎は遅れてる、農家は恥ずかしいって気持ちがどうしても出てきちゃって。

結局農業がしたくて日之影町に残ったけど、当時は都会に憧れていました。

でも出て行った周りの同世代は今帰ってこないし、結局日之影町の過疎化はそこから始まったんだよね。

そのあとほどなくしてオイルショックで経済が停滞下降し始めてから、大量生産大量消費で成り立つ資本主義の都会がいかに脆いかということに気付いて、やっぱり田舎がいい、日之影町がいいと感じるようになった。

自分で食材を育てて、それを食べて生きるという本質的な生きる喜びが日之影町にはあったんだよね。」

本質的な生きる喜び、確かにそれを感じる瞬間は都会では少ない。筆者も4年間大都会に住んでいたが、消費で一瞬得られる喜びはたくさんあるけど、本質的に満たされる感覚というのを得ることは難しかったように思う。

そんな中で2005年に政府は一定の条件が揃った森林の中で、人はリラックス効果や病気への予防効果を得ることができると科学的に実証されたことを認め、全国で森林セラピー基地を認定し始めた。

「日之影町が森林セラピーとして認定されて、町から森の案内人の募集があったときに、これまでの経験や山の知識が生かされる仕事があることにすごく驚いたし、これこそが自分が求めてた日之影町の価値だなと思ったんです。だから、これらの日之影町の強みがもっと生かされるような町づくりを頑張っていきたい。」

高見さんは現在自身が立ち上げたNPO法人「Sun Village」の運営で忙しい毎日を送っている。今後どんなことが起きるのか、とても楽しみだ。

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